!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!
本ページは『映画|狼男|The Wolf Man』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓
ネタバレあらすじ
ラリーのパパは自宅に豪勢な天体望遠鏡を所有する天文マニア博士である。ラリーは望遠鏡をいぢって、カワイコちゃん(イヴリン・アンカース)を発見。「イイネー」と喜ぶ。次のシーンは、もう、彼女が働くアンティーク店の店先である。この素早い展開が古いユニバーサル映画のいいところ。彼女の名前はグエンという。
ラリーはつかつか店に入り、グエンに図々しく話しかけ、銀のオオカミの飾りのあるステッキを買う。ぺらぺらと調子よくしゃべり、デートに誘ってみたが、軽くフラレる。「だめです」と拒否されるのであるが、彼はニコニコ笑顔である。そこにジプシーの馬車が通りがかる。「あー、ぼくはジプシー占いをしてもらいたかったんだ!いっしょにきてください」と頼んでみた。でも、やっぱり「だめです」なんだが、彼女はその夜待っていてくれたのであった。
きてくれたのはいいが、彼女の友達女(フェイ・ヘルム)もいっしょである。お目付役ですか。てわけで、初デート(とはいえないか)は3人でジプシー占いにでかけることになった。3人が歩く道ばたにはトリカブトの花が咲いており、友達女は「まぁきれい」といって、その花を摘む。
ジプシーテントに到着。まずは友達女がテントに入る。そこで待つのはベラっていう男占い師(ベラ・ルゴシ)なんだが、彼は友達女のてのひらに死相マークを見ておったまげる。女は「な、なんで?」とおののく。
その頃、ラリーとグエンはテントの外で会話中。ここで彼女はラリーを落胆させる。「わたし、婚約しているんですの。ほんとうはこんなのよくないとおもうのですわ」なんていいだすのでトホホとなるが、ラリーは思ったよりヘコんだようすでない。ライバルがいると燃える体質なのだろうか。やっぱりボンボン金持ちは違うなと思ったら、そんなのどうでもよくなっちゃうくらいの大事件が発生する。
友達女が、夜の森でオオカミに襲われる。きゃー。悲鳴を聞いたラリーはえらいこっちゃと割って入り、ケモノ相手に格闘する。買ったばかりのステッキでばんばん。彼はこれをただのオオカミと思ったのだが、じつはベラが変身したオオカミ男だったのであり、オオカミ男を殺すには銀製の武器じゃないとだめなんだが、偶然ながら、彼のステッキには銀製オオカミの飾りがついていたのでこれが効果てきめん。彼はどうにか勝利するのであるが、このとき胸をカミカミされてしまう。ラリーは深く傷つき、自宅に担ぎ込まれる。
翌日。
娘の死体が発見される。さらに占い師ベラの死体もあり、殴られた傷があった。その隣には凶器と思われるラリーのステッキが落ちていた。ポリス(ラルフ・ベラミー)はラリーを疑うのであるが、ラリーは「ぼくはオオカミをやっつけただけだ」と主張し「ほれ、ここに噛まれた傷がある!」と胸をはだけて見せたが、不思議なことに、カミ傷はひとばんで完治していた。
という状況からして、以下のような推理が成立した。かわいそうな娘はオオカミに襲われて悲鳴をあげ、それを聞いてかけつけたふたりの男が暗闇でパニクったあまり、間違えて人間を殺しちゃったという不幸な事故であろう、ラリーはオオカミに噛まれたといってるが一晩で傷が治るわけないんで、彼はびっくりしてかんちがいをしているんだろう、ということでカタがついた。
が、ラリーはきぶんが落ち着かない。ぼくは殺人をしてしまったのであろうか。と深く悩んでいたところで、ジプシーおばあさんのマレバ(マリア・オースペンスカヤ)に「あなたはオオカミ人間になったのだ」といわれ、お守りをもらう。彼はおののく。マレバは死んだベラの母である。
そんなこんなの合間に、グエンのカレシも出てきてトライアングルのシーンもあったりする。3人がお祭りで出会う場面はなかなかおもしろい。グエンのカレシは「ぼかあ、嫉妬なんかしてないよ」といい、ラリーを親しげに誘う。ふたりの男は夜店の射的ゲームをやる。ラリーはホイホイと命中させる。これを陰から見張っていたポリスの男たちが真顔で台詞をいう。「ヤツのライフルの腕はなかなかのものだ」といって、こわい顔をするのである。はははははは。その後、射的の的にオオカミの絵が出てくるもんでラリーは外してしまうのであるが。
ラリーはマレバにもらったお守りをなぜかグエンにあげてしまう。彼女を守りたいというのがその理由だが、自分で持ってりゃいいのにね。夜になったら、ラリーはけむくじゃらになり、ガオーと変身。ついに殺人を犯す。翌朝になって目が覚めたら、彼はベッドに寝ていて、部屋の中に足跡がついていた。
ラリーの苦悩が始まる。町のひとたちはラリーに冷たい視線を浴びせつつ「なんだか知らないが、アイツが戻ってきたら死人が出るようになった」と陰口を叩く。彼はひとりで苦悩してたのだが、さらに悪いことに、次に自分が襲うのは愛するグエンであると知ってしまう(オオカミ男になると次の犠牲者の手のひらに死相マークが見えるのです)。
追いつめられたラリーは父に告白し「ぼかあ、もうここにはいられない」と逃亡の決意を話すが、この父は現実家なのでそんな話は信じない。「おまえはだいじな跡取り息子である。ジプシーなんぞのタワゴトを本気にするヤツがあるか!逃げるなんていうな」と述べ「そんなにいうならおまえをイスに縛っておいてやる。これならだれも殺せないだろ」といってそのようにする。ラリーは素直に従う。そして父に「外にいくなら、そのステッキを持っていってください」とお願いする。父はそれを持って出て行く。
父の用事はオオカミ退治大作戦であった。町のみなさん総出でオオカミ狩りをやるのである。父としては、なんとしてもオオカミを見つけてブッ殺し、息子は関係ないんだよという点をみんなにわからせてやりたい。だから彼は必死なのです。
ラスト。
ラリーはまたまたガオーと変身。拘束を解いて森に行く。グエンとばったり出会い、これを襲う。きゃー。そこに父がやってくる。格闘。父は息子をステッキでメッタ打ち。オオカミ男兼ラリーは死亡。まいったかバーロー。と思ったところで、あのジプシーおばあさんのマレバが登場。「安らかに眠るがよい」とお祈りをしたら、けむくじゃらのオオカミ男の顔がラリーの顔に戻る。父は唖然とする。
そこに一足遅れて、ポリスやらグエンのカレシやら関係者のみなさんがナニゴトかと駆けつける。ポリスのアンちゃん(ラルフ・ベラミー)は重々しくみんなに説明する。「オオカミが彼女を襲ったところをラリーが救った。でも彼は死んだ」と聞いたみなさんは驚き顔でラリーの死体を見守る。
おしまい。
※ラストのポリス男の台詞は、本当にそのように信じたのか、あるいは残された父を不憫に思い、またラリーの名誉を守るためにわざと嘘をついたのか、どちらにもとれるような調子でしたね。私は後者かなと思ったのですが。この男は伝説なんか信じていないという調子だったですが、もしかして心の底ではちょっぴり信じていたのではないかと。ポリスという立場上、そういうしかなかったのかなとも思う。
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