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!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!

ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

本ページは『映画|ドリアン・グレイ|Dorian Gray』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓

ドリアンが遊び人キャラに変貌する直接のきっかけとなったのは、婚約者であり舞台女優のシビルの自殺であった。彼女と出会った頃のドリアンはまじめひとすじ純情青年だったもんで、すぐさま「ぼくたち結婚します!」と宣言したが、元々ドリアンと彼女が出会ったのはハリーに連れていかれたバーだったんだけど、ハリーにしてみれば純情男をホストナンバーワンに仕立てるのが目的だったわけであるからして、結婚などじつにつまらないオチである。およめさんを世話してどうする!これを不服とするハリーは、ドリアンをエロクラブに誘ってシビルの舞台を見にいく約束をすっぽかすように画策し、ふたりはケンカとなり、深く傷ついたシビルは川に投身自殺した。

シビルの自殺を知ったドリアンは深く悲しむが、翌日にはスッキリ顔で「過去は過去である」と割り切りモード。その日からドリアンは放蕩ジゴロに変身した。ワルの道を教えたハリーでさえももてあますほどのブイブイぶりである。ドリアンは自分がワルをするたびに肖像画が醜悪に変化するのを知り、その絵を壁からはずして隠してしまう。画家のバジルはドリアンの変化に気づき、大心配となる。彼は「わたしの知るドリアンはどこにいってしまった?わたしが描いたあの絵はどこにいったのだ?」と執拗に責め続けた。彼の追求に嫌気が刺したドリアンはバジルを殺害。死体を川に捨てた。

※原作では、ドリアンは死体の処理を知人にやらせました。弱みを握っているぞと脅して強制するのです。死体処理をやらされた男はその後自殺しました。というお話は映画ではナシ。バジルを殺したあとの展開は、原作とはまったく違う流れになっていきます。

バジルの死体が発見されるとドリアンは旅に出た。遊びの道を極めるための男の旅である。彼はハリーを「いっしょにいこう」と誘ったが、ハリーは「妻の出産が近い」という理由で辞退した。彼はもうこの時点でドリアンをもてあましていたのだろう。ドリアンはひとりで旅に出た。肖像画は屋根裏に隠してある。

ドリアンは長年の歳月を経て、唐突にロンドンに帰ってきた。みんなは驚く。彼はまったく老けていなかったのである。あのときの肖像画そのままのドリアンの姿であった。人々は「奇跡だ!」と驚嘆し、彼の帰国を喜んだが、なかにはドリアンに恨みを持つ者も多い。自殺した婚約者シビルの弟ジミー(兄?)はそのひとりである。彼は執拗にドリアンを追い回すようになる。

帰国したドリアンはかつての師匠、ハリーに再会する。ふたりは再会を祝すが、その雰囲気は昔のそれとはずいぶん違う。年を食ったハリーはかつての面影はなく、いまはただのオッサンというムード。

ドリアンは、ハリーの娘エミリーと出会って恋をする。が、それはかつてのような遊び人風情でなく、彼は肖像画を隠して苦悩している。遊びの道をきわめた彼は「喜びと幸せのちがい」を身に沁みて知ったそうであり、かつての自分の放蕩を恥じているよう。以下はドリアンとエミリーが初めて出会うシーンの会話。

Emily: I hope I’m not interrupting your reminiscence?
Hurry: The one charm of the past is that it's the past.
Emily: Oh. I hope you're not also a dreary old cynic?
Dorian: What is there to believe in?
Emily: Our developments.
Dorian: All I see is decay.
Emily: Well, religion?
Dorian: Fashionable substitute for belief.
Emily: Art?
Dorian: A malady.
Emily: Love?
Dorian: An illusion.
Hurry: Bravo!
Emily: Well, you both cut the world to pieces, don't you? Thank you for the cigarette.
Dorian: Unusual woman.
Hurry: She ought to be. She's my daughter.

さらにその後の初デートでの会話↓

Dorian: I can assure you, pleasure is very diffrent from happiness. I mean, some things are more precious because they don't last.
Emily: Mr. Gray, I believe I know your secret. You do have a heart.
Dorian: Those who go beneath the surface do so at their peril.
Emily: How terrifying.

という調子で、ドリアンはこのエミリーという女性、ハリーの持ち味である皮肉さを受け継ぎつつも率直さを失わないエキセントリック風味の女に惚れてしまうのであり、惚れてしまうと自分の秘密を知られることがますます恐ろしい。肖像画の隠し場所である屋敷の屋根裏にはネズミがわくようになり、彼はどうしていいかわからない。神父様に懺悔してみたけど役に立たない。いまさら後悔したって遅いのです。

オロオロしていた彼はジミーに襲われる。が、格闘するうちにジミーのほうが死んでしまう。ますます沈鬱。もうここにはいられないと絶望したドリアンはエミリーを連れてロンドンを捨てることにする。自分が相続した屋敷をぜんぶ売り払ってニューヨークにいくのだ。ふたりだけで知らない土地にいって人生を始めるのだ。エミリーは大賛成で彼に従うことにした。ハリーは怒るだろうなと思ったら、意外にもニコニコ顔で「わかいもん同士が決めたんならしょうがないね」と物わかりのいいことをいって、お別れパーティをやりだした。

が、ハリーには策略があった。彼は自分の娘とドリアンがいちゃいちゃしているのが心配でたまらず、あの肖像画に秘密があるに違いないと直感していたのである。ハリーはドリアンをパーティ会場に釘付けにしといて、自分はこっそり外に出て肖像画を探しにいく。いったいあの絵にどんな秘密があるというのだ。彼は知りたくてたまらない。

ラスト。

ハリーはドリアンの秘密を知って驚愕する。もう破滅。肖像画に描かれたドリアンは腐りきった老人の姿であった。それだけでもきもちわるいのに、絵の中の怪奇老人はうげえええええと声を出してグニョグニョ〜と動きやがるんで、アワを食ったハリーは絵にランプを投げて火を放った。火は屋敷に燃え広がる。ドリアンは観念オダブツ。たとえ生き延びてもその先には孤独な破滅人生があるだけである。助けにきたエミリーにお別れをいって死にました。

Dorian: You have my whole heart, Emily.. My whole heart.

おしまい。

※原作ではエミリーなんていうカワイコちゃんは現れなくて、その代わりに純真田舎娘のヘッティちゃんというのが出てきて恋仲になる。彼女はすごく純真だったので、ドリアンは「もしかして純真娘とつきあいだしたおれは前ほど悪人じゃないのかもしれない」と都合のいい解釈をして、肖像画を見にいく。そしたら肖像画のドリアンは前にも増して醜悪顔だったのでおそろしくなり、絵をナイフで刺す。ギャーと悲鳴。その後、召使いたちが屋根裏で孤独死している醜悪老人を発見する。死体の前にはきれいな顔のドリアンの肖像画がある。というのが原作の結末でした。

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