!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!
本ページは『映画|ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女|A Girl Walks Home Alone at Night』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓
私が好きじゃないところ
前述したように、『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女 (2014)』の中でいくつかの場面を、私は好きじゃない。なんだか重箱の隅を突つくようだが、いちおうメモメモ。
パーティの場面があり、そこでドラキュラ衣装を着たアンちゃんがおどけた調子で、この台詞をいう↓
Arash: I am Dracula.
おいこら!これをふざけていうんじゃない!もっと尊敬を込めていえ!って思った。I am Dracula.はルゴシの専売特許である↓
魔人ドラキュラ (1931)
もうひとつある。
イロイロあってアンちゃんは美少女ヴァンパイアに恋をして、ふたりは次第にくっついていくんだが、最初のデートの場面で、女ヴァンパイアは愛を告白する男に「わたしはわるいことをしたんですわ」とかって、いやいやをするのである。
A Girl: I've done bad thing. I'm bad.
あのなー。ヴァンパイアが罪を悔いてどうするんだ。魔物なんだから。True Bloodのテーマ曲でも、I wanna do bad things with you.と歌っているではないか↓
Jace Everett - Bad Things (True Blood theme)
上記2点はいま思い出してもいらいらする。
エンディング
詳しい話は映画を見てくださいよと思うが、こんな結末でした。
ヴァンパイア娘はアンちゃんのダメ父を殺す。ダメ父があまりにダメダメだから。だらしのない野郎だから。父の死体を見つけたアンちゃんは狼狽し、町を出ていく決心をする。んで、ヴァンパイア娘を誘って町を出る。ヴァンパイア娘は彼のいう通りについてくる。猫もいっしょ。
この時点では、彼はヴァンパイア娘の正体をわかってない。いや、心の奥底では気づいていたものの、頭の中で打ち消しているようなかんじかなと思った。
ふたりと1匹を乗せた車が走っていくと、右と左の分かれ道にさしかかる。そこで、アンちゃんはいったん車を止め、外に出る。彼はしばらく逡巡したのち、運転席に戻る。んで、カセットテープを出して、景気のいい音楽をかける。ふたりは目を合わせる。それはふたりだけがわかる視線の絡み合いというかんじで、彼らはお互いのきもちを確認し合い、走り去っていく。
おしまい。
私の解釈
彼はあのとき彼女の正体に気づいたんだと思う。いや、ヴァンパイアと気づいたかどうかは知らないが、少なくとも殺人者であると確信したんだと思う。そこでしばらく考えたのち、「それでもいいや」「惚れているんだから」「父親が死んだのは自業自得である」と心の整理をしたのである。んで、車に戻った。彼女に彼のきもちがピピッと伝わった。猫にも伝わった。
ていう場面だったんじゃないのかね。私はありありとそう感じて、このエンディングはすごくいいと思った。
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