PV3,214

!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!

ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

本ページは『映画|Penumbra』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓

ネタバレ結末

簡単にいうとこんな話だった↓

不動産屋であると名乗る人たちは、じつは、不動産屋なんかではなく、狂信的なカルトのメンバーだった。本人たちはカルトであることを否定していたが、実際は似たようなものである。彼らの正体に気づいたマルハさんは逃げようとしたが、捕まってしまう。無関係の隣人オバちゃん(ミレージャ・パスクアル)は巻き込まれて死亡。

そこに、ながらくお待たせのサルヴァなる白スーツの男(アルナルド・アンドレ)がやってくる。これがカルトの親玉らしい。マルハさんは知らなかったが、この部屋の壁紙を剥がずと、へんな図案が出てきた。これゆえに彼らはこのアパートに侵入する必要があったのである。

マルハさんが見ている前で儀式が行われ、生け贄娘(María Nela Sinisterra)が連れてこられてブッ殺される。上のあらすじでは割愛したが、映画の冒頭にプロローグがあり、若いコロンビア娘が誰かに拉致されるという場面があった。生け贄娘はそのときにさらわれた女である。

凄惨な殺人を終えると、カルトのメンバーは全員自殺する。最後に生き残ったのはマルハさんだけ。彼女はひーこらいって自力脱出する。死なずにすんだー。よかったー。と思ったら、後からポリスが現場を調べたら、儀式が行われた部屋には自殺した連中の死体はなかった。生け贄娘とオバちゃんの死体があっただけだった。

マルハさんは見た通りのことをいっしょうけんめい説明したが、信じてもらえず、ポリスに連行される。きっとキチガイ殺人犯扱いされてしまうのだろう。いくら勝間和代でも、この状況から逆転無罪を勝ち取るのむりなんじゃないですかね。というようすを、あのホームレスオヤジがニタリ顔で見ていた。

おしまい。

感想再び

このカルトはなんなのか。彼らの死体はどこに消えたのか。わからない。ボグリアーノの映画らしく、カルトの背景などは一切説明されず、ヒントになるのは意味深な日付の台詞があっただけである。彼の映画はこういうのが多い。いつも観客をケムに巻く。

観終わった直後には、「これはすべて皆既日食ゆえの呪いなんだな。彼女は狂ってしまったんだな。すべては彼女の仕業なんだな」と思えるが、そうなると生け贄娘の説明がつかないから困ってしまう。冒頭の女が拉致される場面は幻などではなく本当に起きたことなんだよね。てことは、どこかの誰かが本当にそこにいたんだよね。私はよく考えてみたけれども、合理的な説明を思いつくことはできなかった。

こんな説明不可能なお話を放り投げて去っていくボグリアーノという男はじつに困った野郎だが、彼の映画というのは、「アルゼンチンじゃこれが普通なのだ。もんくをいうな」という気合いに、心が押されてしまうのである。これが彼の『芸』というものなのだろう。

※ヒントの日付というのは『1859年9月1日』なんだが、あとから調べたらこんなのがあった↓

しかし、これがわかったからといって、謎が解けるというものでもない。

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