!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!
本ページは『映画|武器人間|Frankenstein's Army』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓
ネタバレ結末
ロシアの兵隊さんたちは怪物に襲われて死んでいくが、後半になって、驚きの事実が明かされる。こんなの↓
軍の記録係のディミトリさんというのは、じつは、他の誰よりもランクの高い軍人さんだったのであり、共産党上層部しか知らない極秘作戦を実行中だったのです。彼の任務は「フランケンシュタイン博士を捕まえてこい。無理なら殺せ」というもんで、だから、みんながこの場所にやってきたのも、無線が通じなかったのも、彼がウラで画策した結果だったのでした。
という打ち明け話を聞かされた他の連中は怒る怒る。ディミトリは「いまからおれが隊長」というが、ぜんぜん従ってもらえず、怪物ウヨウヨの場所に置き去りにされる。悔しがるディミトリさん。
彼は怪物に襲われ、万事休すと思われたが、ここでフランケンシュタイン博士が登場する。なぜか博士は彼を殺さず、自分がどんなにえらいかをべらべらしゃべる。記録係というのが気に入ったみたい。ディミトリさんを子分にして、お抱えカメラマンにすれば、自分の偉業をフィルムに残せますからね。
博士はディミトリを自分のラボに案内する。死体がゴロゴロのグログロギョエーの場所では、たくさんの怪物さんたちが助手として働いています。死体を縫い合わせてメカメカ手術をしたりとかですね。小さな二本足の怪物さんはかわいいです。ハンスとかって呼んでた。
そうこうするうち、外で大砲の音がし始める。ロシアの砲撃隊が迫ってきているらしい。ディミトリは助かりたい一心で取引を申し出る。
「すぐにロシア軍がやってきますよ。あなた、いっそのこと、ロシアお抱えの科学者になったらいい。わたしが口をきいてあげる。ナチスにいるよりそっちのほうがいい。このままではあなたはロシアもナチスも敵に回してしまいますよ」
なんていうんだが、博士はキモの座った狂人である。ぜんぜん興味がない。彼は共産主義だのナチスだのそんなみみっちいことに気を奪われるような男ではないんですね。彼にはもっともっとすごい野望があるんですよ。彼の試みが成功すれば、この世から戦争がなくなるそうな。
この男はいったいなにをやらかそうというのであるか。
博士はですね、共産主義者とナチスの脳ミソを半分づつくっつけて、世界のイデオロギーをひとつにした人造人間をつくろうとしているんですよ。うへー。すごい野望です。そんなピザみたいなことが可能なんですかね。
博士は自信満々で実験を行い、あっちとこっちを合体させたハーフ&ハーフの脳ミソをうれしげに見せる。「こっちのほうがちょっと多いか」つってほじくりだすところは、ラーメン屋のオヤジが麺の量を調整しているみたいです。
これにはディミトリもびっくり仰天。「あんたは狂ってる!」とかいうんだが、博士は無視。愚民にこんな高等な実験を理解できるわけがないよね。そして、ディミトリさんをベッドに縛りつけ、「おまえの頭にカメラをつけてあげる」とかいう。やめてくださいよ。お願いキャー。わめくディミトリさん。
そこに、死んだと思われていた、若いロシア兵(ルーク・ニューベリー)が突入してくる。彼はサーシャといって、隊の中ではいちばん格下の坊やで、パシリ扱いされていたヤツです。そいつがどどーんと飛び込んできて、博士を銃殺。
そして、漁夫の利をさらうように、博士の首をチョン切って持ち帰る。哀れなディミトリは『共産主義 + ナチス ハーフ&ハーフの人造怪物』にガオーと襲われ、ブッ殺されました。
最後。
祖国ロシアを讃える勇ましい軍歌が流れる。エンドロールの直前に、最後に逃げたサーシャとスターリンのツーショット写真が出る。てわけで、彼はまんまとスターリンの寵愛を得ることに成功したらしいです。
おしまい。
ちょっと追記
あの名場面を書くのを忘れたので追記します。
映画の中盤。
ロシア兵たちは、途中で、逃げてきたナチス兵/村人の子供/村人の女と偶然出会い、捕虜にします。こいつらにしてみれば、もう戦争なんかはどうでもよくって、逃げたいばかりなんだが、ロシア兵に小突かれて、むりやり同行させられる。
その後、また怪物に襲われて、子供の姿がいなくなる。でも、その後、子供は生きていたとわかる。そこで、ナチス兵はまるで母のような仕草で子供をギュッと抱きしめるのです。
ところが、ロシア兵たちは、せっかく助かった子供をふんづかまえて「おいチビ!偵察にいってこい!」つって、怪物ウヨウヨの穴に放り込む。子供はギャーと死亡。あの場面はよかったー。
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