PV12,308

!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!

ネタバレ注意!SPOILER ALERT!

本ページは『映画|スウィング・オブ・ザ・デッド|The Battery』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓

ネタバレ結末

コンビはおきらくに旅を続けるんだが、ヒョンなことから例のアニーさんに偶然出会う。アニーてのは、無線で声を聞いて、ミッキーが勝手に妄想を抱いて憧れた女です。

でも、会えたのはいいが、彼女はミッキーが想像したようなロマンチックな女ではなかった。彼女はベンの足をズドンと撃ち、大怪我をさせ、コンビの車のキーを草むらに投げ込み、走り去った。ヒデーやつだ。アニーと彼女が属するグループは略奪することを屁とも思わない非道なヤツラだったのである。

ベニーは怪我をして動けない。ミッキーはがんばってキーを探すが見つからない。ふたりはやむなく車の中に閉じこもる。したら、夜になったら、ゾンビがウジャーと出てきて、取り囲まれる。車は動かないし、外にも出れない。水と食料はあるし、ゾンビはガラスを破れないから、差し迫っての危険はないが、このままいったら間違いなく餓死する。こまった!

ここから先はえんえんと密室状態であります。

何日か過ぎて「もう限界だ!」となり、ふたりは話し合った末、ミッキーが決死の大作戦を試みる。彼がひとりでサンルーフから外に飛び出し、車のキーを発見し、戻ってくるのである。本来ならこんな役はベニーの方がお似合いだが、彼は怪我をして動けない。気弱ピッチャーのミッキーには辛い話だが、ここはひとつ、なにがなんでもやらねばならない。

結果、この作戦は失敗する。ミッキーは戻ってきたが、キーは見つからず、彼はゾンビに噛まれてしまった。ふたりは車内でわめく。ベニーは彼を射殺するしかなかった。あー。

ベニーはひとりぼっちになった。やがて飲料水は底をつき、ペットボトルにおしっこを溜める。こうなるとさすがに楽天家の彼も死を覚悟する顔になってくる。

ベニーは最後のジタバタをすることに決めた。外に飛び出して、ゾンビを蹴散らして、徒歩で逃げるしかない。たぶん無理だけどやるしかない。どうせ死ぬんだからやってみるか。

彼はトランシーバーを手にし、独白台詞をしゃべる。どっかでノウノウと生きているであろうアニーに、自分の声を聞かせるためである。

Benny: Is anybody out there? You know, me and Mickey we were trapped in a house for three months when it all started. Had to board up the windows. Block out the sunlights. You ever been inside, in one place... for that long? Listening to the same sound, all day. Every day. It does something to you. Annie? Are you listening? I bet you are. Oh I bet you are. Mickey didn't make it. Because of you. You hear me? It's funny. How we finally got outta that house. We just opened the door. They all tried to pile in one side, and we just... went out the other. All that time. And it was that easy. Just... let 'em in. I think I'm gonna try it again. If it doesn't work this time... I'm just gonna put a bullet in my head. But if it does... I'm gonna come and put one in yours. I'll see you soon.

だれか聞いてる?この惨事が始まったとき、おれとミッキーは家の中にいた。おれたちは閉じ込められた。窓に板を貼り、おひさまを見れない日が3ヶ月も続いた。そんなに長く閉じ込められたことある?毎日毎日、一日中同じ音(ゾンビのうめき声)が聞こえるんだよ。人間、そんな目に遭うとなにかが変わるよね。アニー?おれの声を聞いているんだろ?ミッキーは死んだよ。おまえのせいだ。そこで聞いてるくせに。おもしろい話を聞かせてやろう。おれたちがその家から脱出できたのは、すごく単純なワザが成功したからなんだよ。逃げるためにおれたちがやったこと。ドアを開けた。そんだけ。ドアを開けたらゾンビどもはウジャーと集まって、入り口に押し寄せた。んで、おれたちは反対側から逃げたのさ。あんなに簡単だとは思わなかった。おれは同じ手をもう一度やってみようと思う。もしだめだったら、自分で自分の頭を撃つよ。でも、もし成功したら、おれはぜったいにおまえを見つけてやる。そしておまえの頭に銃弾をブチ込んでやる。おれはおまえに会いにいくぞ。

アニーが彼の声を聞いてるかどうかはわからない。でも、ベニーは相手はぜったい聞いていると信じてえんえんとしゃべる。そしてしゃべりながら、野球の球を分解する。ナイフで皮を切って、結び目をほどいて、芯をとりだす。その作業に没頭するさまは、死んでいったミッキーに「さようなら」といっているみたいである。途中で口をもぐもぐするので、もしかしたらボールの皮をチャプリンみたいに食ったのかもしれない。

最後。

ベニーは後ろのドアから飛び出す。そしてゾンビを蹴散らして、足をひきずりながら、必死で逃げる。

おしまい。

「ゾンビを一方におびき寄せて反対側から逃げるという単純ワザを、もういっぺんやってみた」についてですが、映画の中では明確にわからないんだが、「サンルーフにおびきよせて、後部ドアから逃げた」という意味だと思います。ソレしか思いつかなかった。理屈は同じでも、家の場合よりも車の方がずっと危険度は高いですよね。てか、自殺行為に近い。

ふたりが閉じ込められた最初の頃に、いちどミッキーから「あれをやってみようか?」と提案がありました。そのときは「今回はムリだよ」つって却下したんだが、それがこの手だったのではないかと思う。ひとりきりになったら、もうソレしかなくなった。もしかしたら、ベニーは、「あのときダメモトでふたりでアレをやったらミッキーは死なずにすんだかもしれない」と後悔をしていたのかもしれません。

と、思ってネタバレを書いてみたんだが、なにかあったらツッコミお願いします。

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