!!!! SPOILER ALERT !!!!
!ネタバレ注意!
本ページは『映画|デイブレイカー|Daybreakers』のネタバレ全開です。この映画の普通の(ネタバレのない)レビューはこちらにあります↓
ネタバレあらすじ
エルヴィス(ウィレム・デフォー)は、なんと、元ヴァンパイアでいまは人間であるという。彼がエド(イーサン・ホーク)に語った内容↓
ある日、ヴァンパイアだった彼はどうしてもドライブをしたくなって(彼はクルマ好き)日中のドライブに出た。この時代のクルマってはヴァンパイア仕様になっていて、日光が車内に入らないようにできているのです。車外カムの映像でクルマの回りを視認しながら運転できるようになっている。ここらへんの未来メカのデザインはすごくおもしろい。
エルヴィスは喜んでドライブしてたんだが、不注意運転で自爆事故を起こす。クイに正面衝突。彼は運転席から飛びだし、モロにおひさまを浴びた。肉体は炎上。オダブツ。のはずだったのだが、彼は死ななかった。ぴょーんと飛んで落ちた先が池だったのである。池の水に落ちた瞬間、エルヴィスの心臓は9年ぶりに動きだし、彼は人間に戻った。
という奇跡話であるが、エルヴィスはこの効果を偶然知ったわけで、そうなる理屈がわからない。ヴァンパイアは通常おひさまにあたると肉体が炎上して即死するのだが、そこになにかのタイミングが加わるとギリギリ生還して人間に戻れるらしい。その理屈を解明してくれませんかという話である。エドは血液の専門家だから。
エドはこの話に乗って、人間の味方になり、エルヴィスの肉体を研究し始める。「日光の量をコントロールすればよいのではないか」と考えて、あれこれやってたところにわるもん政府の兵士がやってきてピンチになるのだが、エドは自分の仮説を自分の肉体を使って試したら、奇跡的に人間に戻れちゃう。おー。
※「この映画の設定が気に食わない」と上に書いたけど、ここまではまだいいんですよ。問題はこの先です。
サム・ニールの娘(人間)がさらわれるとかサブストーリィがいろいろあるんだが、ばっさりハショります。
映画が進むと、さらに新しい設定が定義される。
それは「ヴァンパイアから人間に戻った人間の血液をヴァンパイアが飲むと、そのヴァンパイアはウガーと苦しみ、苦しんだのちに人間に戻ってしまう」という点である。つまりエドやエルヴィスの血液そのものが『奇跡の治療薬』でしたということです。私が気に食わないのはこれです。そんなの簡単すぎるよ。
エドはそれを偶然発見し、これを使って敵をやっつける。エドたちの血液が『ヴァンパイアを人間に戻す治療薬』になるといっても、大勢の敵がガオーと襲ってきたらば、食い散らかされて、肉体がバラバラになって死んじゃうので不死身というわけではないのです。どどどどっかーんのアクションの末に悪は滅びる。
おしまい。
感想再び
アクションシーンはとてもスリリングだけど、こんな設定は人間に有利すぎておもしろくないとおもいます。そういうことであるなら、世界中でエルヴィスが経験したような奇跡が起きているはず。その人たちはヴァンパイアに襲われてヒャーと逃げるだろうが、そこでヴァンパイアは人間に戻ってしまうはず。そういう事例が世界のあちこちで起きるはずであり、つまり、エドたちがジタバタしなくても、ほうっておけばヴァンパイアは全滅するってことになると思うんですけどね。偶然ではありえないほどのナローな確率であるということかもしれないが、エドがあんな風に人間に戻れたことを考えると、わりと簡単に起きるではないか。
ところで、細かい話ですが、エドは血液をずっと飲まなかったくせに(途中でおねーちゃんに飲ませてもらったが、その前の時点での話)なぜsubsiderにならなかったのか、という疑問が出るかなと思うんですが、これの答えは「ブタの血を飲んでたから」だと思います。そういうシーンはなかったけど、弟と口論するシーンでチラとそういうことをいってたから。
この映画、plot holeがありそでないですね。なぜ??と思うことがあっても、細かい台詞の中とか、チラと出てくるなにかにヒントが用意されています。そこらへんはえらいと思うんだが、やっぱり上に書いた点だけが気に食わない!
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