2010/12/16 (Thu) at 3:10 am

映画|リンチ・モブ|Lynch Mob

カニバリスト（食人者）たちが住む呪われた田舎町に、マフィアがやってきてびっくりするホラー映画。マイケル・H・コール。監督バイロン・アーウィン。2009年。

せんだみつお似のウィーゼルさん（マイケル・H・コール）は幼女好きの変態男で、おまけに拷問マニアで、マフィアとつながりを持つ悪人である。彼はへんなロシア訛りの英語をしゃべる。ガイジンなのかな。

ある日、彼はいつものように少女を襲おうとしたらば、FBIに逮捕される。「観念しやがれ！この変態め！」とお仕置きされて困った彼は「おれはマフィアに知り合いがたくさんいるから、情報をあげるから、それで罪をチャラにしてくだせえ」とお願いし、witness protectionにしてもらえるようになった。

witness protectionというのは、刑事ドラマをよく観るひとならご存知だと思うが、裁判の証人になることを約束した犯罪者がマフィアなどから殺されないよう、当局が秘密の場所にかくまってやるというもんである。ドラマや映画では、証人がホテルに軟禁され、警護役の捜査官と24時間いっしょにいるというようなのがよくあるが、ウィーゼルさんは嫌われ者なので「おまえにはホテルなんかよりこっちのほうがお似合いだせ。イッヒッヒ」なんつって、連れていかれた先はどっかのド田舎にある汚い一軒家であった。

捜査官は、彼の足首に監視装置をつけたら（逃げようとするとすぐにバレるヤツ）「おまえはひとりでここにいろ、アバヨ」といって去っていった。この場所はだれにもナイショだからマフィアもやってこないだろうということで、つまり、FBIはこんなクズ男を警備するなんて仕事はやりたくないのである。ずいぶんいい加減だが、ホラー映画だからこれくらいは当たり前だ。

んで、じつは、このリンチバーグという町は、いにしえの南北戦争時代から呪われた町であり、住人たちは全員カニバリストなのであった。彼らは町に訪れた旅行者を殺して、ミートボールにして、食っちゃうというのをえんえん続けてきたのである。さらに彼らは、不死身というわけではないんだが、肉体を傷つけてもすぐに治癒するという特殊体質。過去に受けた呪いでそういうことになったらしい。

ウィーゼルはカニバリストに襲われてピンチになるが、彼はものすごく悪運が強くて、ずるがしこい。町の住人がカニバリストであると知った彼は「ぼくを生かしておけば、マフィアがたくさんやってきて、おなかいっぱいになれますよ。そっちのほうがおトク！」なんつって、うまいこといって、彼らの仲間になる。彼はマフィアときわどく渡り合って商売をしてきたくらいなので、田舎者をケムに巻くくらいのことは朝飯前なのだ。

彼が意図した通り、そこにマフィア軍団がガガーとやってきて、グログロぐちゃぐちゃのスプラッターショーになります。

『パラノーマル・ヴィレッジ (2008)』できもちわるいカニバルオヤジを演じた俳優さんが、こっちにも同じような役で出てきた。スティーヴ・ウォーレンていうひと。あのニタリ顔はすごく記憶に残っていたからすぐにわかった。

トレイラー動画

Lynch Mob (2009) trailer

感想

マフィアとカニバルなんておもしろそうじゃん！と思って観てみたんだけど、いまいちだったなあ。

このウィーゼルさんというのがイタチ野郎（Weasel）というその名の通り、とにかく狡くて、悪運の強いヤローなのです。おまけに変態だし！ほんとに憎たらしい！

という点はおもしろいんだけど、なんだかパッとしない。脚本が悪いのか、編集が悪いのか、演出が悪いのか、演技がヘタクソなのか、私には制作のことはわかりませんけど、素人くさくて、演技がわざとらしくて、ノリ切れない。ゴアゴアはあるけど、安っぽい。オカマ顔の年増色情狂女とか、散発的におもしろいぶぶんもあるんだけど。おすすめしたくなるもんではなかったなあ。

と思うんだが、ちょっとよかったところ↓

Weasel: Ahhhhh! Son of a bitch! You're one of them!
girl: And you're a pervert!

最後のへん。ウィーゼルがマフィアとキチガイを相討ちさせて、まんまと逃げ出したら、森でかわいい少女に出会うところ。彼が少女を襲おうとしたらば、相手はカニバル少女だったというオチで「あああああああ！おまえもかあああああ！」って驚くと、少女はニターリと笑って「おまえは変態だ！」っていうの。ここはちょっとよかった。でも、それだけのために観るというほどのもんではないと思われ。

残念賞。