2008/4/19 (Sat) at 5:00 am

映画|屋敷女|Inside

妊婦女性に大ハサミを振りかざす狂女。フランス製ホラー。UNSTOPPABLE なゴア殺傷スプラッター。ハサミを頭にズッコーン!ぐえええええ!アリソン・パラディベアトリス・ダル。監督アレクサンドル・バスティロ。2007年。

屋敷女 / Inside DVDDVD画像

おなかの大きな妊婦女性がドカンと交通事故に遭った。彼女はサラという。奇跡的にもサラはカスリ傷だけで済み、赤ちゃんも無事だったが、同乗していた夫は死亡した。ひとりぼっちになっちゃったサラが寂しくクリスマスの夜を過ごしていたらば、大ハサミを振りかざす謎の狂女に攻撃される。狂女はゴーストのようにやすやすと家に侵入し「赤ちゃんをよこせ」と叫んで残虐の限りを尽くす。過激なゴア表現に加えてドキドキ感も加味したフランスホラー。トレイラーをどぞ↓

Inside Trailer

※感想

ラストがいーかげんである(私の理解力が足りないせいかも)。助けにきたはずの警官のアホぶりがありえない(これはぜったいだれもが思う!)。という2点が不満だったけど、それを上回るドライブ感があるからすごいなとおもった。キチガイに追い回されて恐怖する → だれかが助けにくる → やった! → 狂女がウギャーと相手を殺す → イヤンもう! → 絶望する。この繰り返しがどきどきしちゃう。次から次にイベントが起こるので飽きない。殺し方も凝っていて楽しい。クライマックスでは防戦一方だったサラが赤ちゃんを守るために捨て身の反撃に出る。ここからいちだんとおもしろくなる。

さいきんフランスのホラーはいろいろあっておもしろいですね。フランスのホラーって政治的反体制色みたいな演出をチョイ入れるのがトレンドなんでしょうか。この映画の中では刑事に疑われて巻き込まれちゃう気の毒男はアブドゥルナントカっていう名前のアラブ系のひとだったみたいだし、この前見た "Frontier(s)" でも反体制デモのシーンがあったりしました。私はホラーというのをお下劣ポルノグラフィだと思っているので、そこになにか政治的な意味づけをしてるような演出はヤだなと思うのですがこの映画では気になりませんでした。"Frontier(s)" も同じように気になりませんでした。おもしろいからまぁいいかというかんじで。

SPOILER ALERT!!!
ネタバレ含む!

後半クライマックス。

重傷を負った彼女は気管に血が溜まったみたいであり、自分のノドに穴を開けて気道を確保する応急の切開処置をする。よくアクション映画などで「このままじゃ呼吸ができなくて死んじゃう!」とかいって、ノドにブスリとチューブを差し込む緊迫シーンがあるが、なんとサラはアレを自分でやっちゃうのだ。自殺するのかと思ったらじつはその逆だったのであり、彼女は生きるためおなかの赤ちゃんを守るためにこの行動に出たのだと知って私はびっくりした。ノドからピューと血が出る!彼女はハァハァと呼吸できることを確認し、そこらにあったガムテを首に巻いて止血完了。次に逃げるんかと思ったら、彼女は反撃に出る。

棒の先に包丁をくっつけて手製のヤリをつくり、狂女を探しにいく。敵は火炎スプレーを浴びていったんは後退したものの、暗闇で待ち伏せしていた。サラがヤリを持って敵を探したら死んだはずの刑事がサラに襲いかかった!警棒で妊婦の腹をメッタ打ち!このシーンの意味がわからない!わからないけどおもしろい!あれは目が潰れてて襲う相手を間違えたってことなんだろうか。ここに狂女が現れ、サラを救った。てか、サラを救ったのではなくて、おなかの赤ちゃんを救ったということなのだった。

ラストで大ハサミの意味が明かされる。産気づいたサラは血塗れの階段で倒れて動けなくなる。狂女はそこで赤ちゃんを奪うことにした。大ハサミでサラの腹をジョキジョキ。原始人のような帝王切開手術をする。うぎゃーーーーーーー!サラ死亡。狂女は赤ちゃんを手に入れて大満足。おしまい〜。

※最後のほうでサラが狂女にいった台詞 →「事故の生存者はいなかったはずだ」。この台詞が狂女の意味を現しているのかな。もしかして事故の相手も妊婦だったのかな、相手は運悪く死んじゃってそのオバケが襲ってきたのかなと想像したのだけど、映画の中では明確に明かされなかったように思う。どうなんでしょうか。私はなにか聞き逃したかもしれない。

※ところで、途中でやってきた刑事3名はアッサリやられちゃいましたが、特に3人目のアホぶりがすごかった。彼は応援を呼ばずに自力で解決を図ったが、たまたま同乗していた別件の容疑者男を手錠でつないでいっしょに連れていくのだ。家の中にキラーがいると知った彼は容疑者男に銃を渡し「いっしょに闘え」といって即席コンビとなる。ははははは。無能ポリスを描写するのは反体制エッセンスのひとつなのかも。imdbのBBSにも「なんだあのバカ刑事は!応援を呼ばんかい!」というスレッドが立ったが次のお答えで納得↓

「ホラー映画の登場人物がみんな頭がよかったら、映画は30分で終わっちゃうだろ」

Sure thing!

※後から追記。さっきアプしてから邦題が『屋敷女』と知ったのでタイトルを変えました。なんだかぜんぜん内容にそぐわない邦題ですねえ。

twitterのご案内

当ブログをお読みくださり、ありがとうございます。twitterやってます。ホラー映画好きな方はフォローしてくださいませ。サイトの更新や新作ホラーの情報を随時流しています↓

Facebookのご案内

『アレクサンドル・アジャ』関連のエントリ

フランスのホラー映画

ホラー映画 :: 洋画』の最近のエントリ

PV59,831
ホラーなブログの方はどうぞ
原題: À l'intérieur
別題: À l'intérieur
Inside
Instinto siniestro
A betolakodó
Adentro
Içerde
Inside: La venganza
Mesa mou
Ott bent
Sees
Yashiki-onna
邦題(カタカナ): 『屋敷女』
制作年: 2007年
制作国: フランス
公開日: 2007年5月24日 (フランス) (Cannes Film Festival)
2007年6月13日 (フランス)
2007年8月23日 (フランス) (Weekend De La Peur Festival)
2007年9月15日 (カナダ) (Toronto International Film Festival)
2007年10月17日 (アメリカ) (Screamfest Film Festival)
2008年3月15日 (日本) (Festival du Film Français au Japon)
2008年3月29日 (ドイツ) (Munich Fantasy Filmfest Nights)
2008年4月15日 (アメリカ) (DVD)
2008年5月28日 (ドイツ) (DVD)
2008年6月21日 (日本)
2008年7月25日 (オーストラリア) (Melbourne International Film Festival)
imdb.com: imdb.com :: À l'intérieur
監督
脚本/原案
出演
プロデュース
音楽
シネマトグラフィ
編集
セット制作
衣装デザイン
視覚効果(Visual Effects)
特殊効果(Special Effects)
Makeup
謝辞

ホラーSHOX [呪](『ほらーしょっくすのろい』と読む)は新作ホラー映画のレビュー中心のブログです。たまに古いのやコメディ等もとりあげます。HORROR SHOX is a Japan-based web site, which is all about horror flicks.

 

すべての投稿 (1544)

CALL GIRL COMIC by DAIJU KURABAYSHIEL GIGANTE COMIC COMIC by DAIJU KURABAYSHI
HORROR SHOX - Horror Reviews, News